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ジェネリック医薬品について | |||||||
●ジェネリック医薬品をご存知ですか? | |||||||
タレントの黒柳徹子さん、高橋英樹さん、加山雄三さんがテレビや新聞で 「ジェネリック医薬品という安い医薬品が使えます」というコマーシャルを 行っていることから、ジェネリック医薬品と言う言葉をご存知な方は多いと 思います。 |
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新薬は20〜25年間特許に守られ、開発メーカーが独占的に製造・販売できます。 ただ、特許期間満了後にはその有効成分は国民共有の財産となり、他の医薬品 メーカーが厚生労働省の承認を得られれば、製造・販売が可能になります。 こうした医薬品の総称がジェネリック医薬品(後発医薬品)です。 欧米では、医師が処方せんにブランド名(商品名)ではなく、ジェネリック名 (成分名)を書いて、後発医薬品の調剤を指示することから、ジェネリック 医薬品と呼ばれています。 |
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●ジェネリック医薬品は、なぜ安いの? | |||||||
先発医薬品(新薬)は、成分の発見から動物実験を経て、何年もかけて人での 臨床試験を終えて発売されます。ひとつのクスリの開発に9〜17年、開発費は 200億〜300億円がかかるといわれます。 一方、ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じであることを科学的に証明する 試験をするだけで発売できます。大規模な臨床試験を行わないため、ひとつの ジェネリック医薬品を発売するまでにかかる金額は3000万〜5000万円程度で 済みます。そのため、ジェネリック医薬品は非常に安く販売できるのです。 安いクスリを使うことによって、患者さんの経済的な負担が軽くなります。 また、医療保険を補助している国庫の負担も軽くなります。 |
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●すべての薬をジェネリック医薬品に変更できるの? | |||||||
医薬品すべてにジェネリック医薬品があるわけではなく、製造に関わる特許の 残る医薬品にはジェネリック医薬品は存在しません。 また、先発医薬品とジェネリック医薬品とで有効成分は同じであるが、適応症 (その薬が実際に使える病気)が異なっているものがあり、治療を受けている 病気の種類によってはジェネリック医薬品を使用できない場合があります。 |
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●先発医薬品とジェネリック医薬品は全く同じ薬ですか? | |||||||
ジェネリック医薬品も最低限、定められた品質に関する試験を行った上で販売を していますので、同じ有効成分を含んだ薬であることは間違い有りません。 しかし、添加物や製造過程が異なるため、全く同一の薬ではありません。 そのため、中には効果や副作用の発現頻度が異なる場合もあります。 特に外用剤(貼り薬や塗り薬など)では、基剤と呼ばれる部分が違うことで 使用感やはがれやすさ、刺激等が全く異なる場合があります。 |
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●ジェネリック医薬品の長所と短所は? | |||||||
長所 | ・開発コストのかかる先発医薬品に比べ価格が安いのが特徴です。 | ||||||
・クスリの形はまったく同じでなくてもよいため、安価なだけでなく 製剤がより使いやすく工夫されているものもあります。 |
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・新薬は、特許期間が満了するまで多くの患者に使用され、その成分の 有効性や安全性は確認されています。ジェネリック医薬品はこうした 経緯を経て開発されますから、効き目と安全性が十分に確かめられた 薬だといえます。 |
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短所 | ・ジェネリック医薬品は、副作用情報などの医薬品情報が先発医薬品ほど 充実していません。これは医師や薬剤師としては患者さんの安全性を 考えるうえで不安の残るところです。 |
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・ジェネリック医薬品の宿命なのですが、「古いクスリ」だということです。 新薬の開発は目覚ましいものがあります。効果を高めたり、安全性を高く した新しいクスリが次々に開発されています。しかし、そういった新しい クスリにはジェネリック医薬品はまだ発売されていません。 |
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・商品の流通に関してもジェネリック医薬品メーカーによっては不十分で、 納品までに時間がかかることがあります。 |
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●ジェネリック医薬品を使用したい時はどうすればいいの? | |||||||
まずは主治医の先生に相談をしてください。 (ただし、すべての病院や医院でジェネリック医薬品を積極的に処方しているわけでは ありません)。 平成18年4月から医師が書く処方せんのスタイルが変わりました。処方欄の下の方に 備考欄がありますが、そこに「後発医薬品への変更可」の欄が新たに設けられました。 その欄に医師の名前が署名してあるか、医師の名前と押印があれば、患者さんが薬局と 話し合ってジェネリック医薬品へ変更できます。 患者さんの希望にあわせて先発医薬品、ジェネリック医薬品のどちらでも使用できる 仕組みです。 |
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●ジェネリック医薬品を使うと、どのぐらい安くなるの? | |||||||
テレビのCMでは「3割〜8割抑える」などと大々的に宣伝されていますが、注意して いただきたいのは、あくまでも『薬剤費が』抑えられるというところです。 決して、窓口での支払額が3割から8割減るというわけではありません。 一般的に「お薬代」というと皆さんは薬局の窓口でのお支払額を思い浮かべると思いますが、ジェネリック医薬品メーカーのCMで「お薬代」と言っているのは、お薬そのものの 値段のみで、その他の料金については触れられていませんので誤解を招きやすいですね。 また、お薬の内容やお渡しする日数、後発医薬品の使用度などで安くなる幅は異なります。 |
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●ジェネリック医薬品は自分でメーカーや銘柄を指定できるの? | |||||||
いいえ、できません。 患者さんには先発医薬品かジェネリック医薬品のどちらにするかを選択していただきます。 『このメーカーのジェネリック医薬品にしてください』とか、『この名前のジェネリック 医薬品にしてください』というような指定はできません。 実際に調剤するジェネリック医薬品については、各薬局ごとに予め製品の品質や安定供給 等の面などを考慮し、薬剤師が選択をしています。 もちろん、その根拠となる情報についても選択していただく際にお話いたしますので 安心してご相談下さい。 |